書評

【書評】深愛 水樹奈々著

投稿日:2017年7月31日 更新日:

どうも!きんこま(@KINKOMAcom)です。

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以前記事にもまとめましたが、この中から声優であり歌手である水樹奈々さんの自叙伝「深愛」を読み終わったので感想を書いていきたいと思います。

著者の水樹奈々さんについて

僕が水樹奈々さんを知ったのはいつのことかもう覚えていません。

はじめは名前を認知しているくらいで特に気にしているわけではなかったのですが、歌を聴いた時に一気に好きになりました。

なんの曲を聴いたかも忘れてしいましたが、すごく歌が上手でとても惹きつけられたことは憶えています。

僕が一番好きな曲はDISCOTHEQUE という曲です。Tricksterに収録されています。

CDはよく購入していましたが、本を出していることは知りませんでした。

この自叙伝は2011年に発行され、2014年に文庫版が発行されました。

今回購入したKindle版は文庫版をもとに作られたものです。

幼少期から2010年までの半生を綴った一冊

自叙伝と行くことからわかると思いますが、この本は水樹奈々さん自身が自分の半生を語っています。

幼少期は演歌歌手になるため父から厳しい指導受け、学校ではいじめられていた。高校は有名な堀越学園に入学するも、まさかの皆勤賞。

堀越学園の芸能コースは芸能活動のため学校を休むことが多いが水樹さんは仕事がなく、皆勤賞だったらしいのです。

そして師匠からのセクハラや、三嶋プロデューサーとの出会い。

水樹さん自身の言葉で事細かく赤裸々に語られている部分が多く、単なるサクセスストーリーではなく、楽しめる本でした。

彼女は天才ではない

僕は水樹さんを最初に認知したのは声優としてでした。

そのあと歌(多分なんかのキャラソン)を聴くことになるのですが、とても上手で感動し、天才だなと漠然と思っていました。

演歌歌手を目指していたことは知っていましたが、どのような努力をしていたかは知りませんでした。

この本の第2章では父とのレッスンの内容が語られています。

レッスンといっても専門の先生のもとで行うものではなく完全の我流。

お父さんの職業は歯科技工士で、その仕事場がレッスン会場。

歯を削る際に出る粉塵や、機械の音、そんな極悪環境の中でカラオケテープを流し10〜15曲は歌い続ける。

これを5歳から中学卒業までやり続けたというのだから驚きです。

父は厳しかったし、レッスンを放り出したいと思ったことも一度や二度じゃない。
でも、休んだら負けだと思っていた。”逃げない”という信念は、思い出せない昔から私の中にあった。

この本で水樹さんはこう述べています。

どんなに辛くても頑張り続けることはものごごろついた時からあったのですね。

水樹さんの歌声の力強さはこの頃からのレッスンのおかげです。

ただ、私の喉は、当時からかなり丈夫な方だったと思う。
今でも私は、乾燥する季節にマスクをつけない。いざという時の常備薬ぐらいは持っているけれど、特別にケアするようなものは必要としていない。

「喉は守るものではなく育てるもの」という父の持論のもと育てられてきた水樹さんの喉はとても丈夫らしいです。

いままで一度だけ喉を壊した時のことも語られています。

病院へ行くと1ヶ月は仕事をしないよう言われ落胆するも、2日後には回復し先生に驚かれるというもの。

これも幼少期からのレッスンのおかげなのでしょう。

粉塵のなか10曲以上大きな声で歌い続けることは並の人ではとても難しいです。

この努力を続けられる水樹さんは天才ではなくとてつもない「努力家」であると思いました。

父との別れ

水樹さんのお父さんは、晩年、脳梗塞を患い入退院を繰り返し、76歳で他界されました。

その時のエピソードも赤裸々に語っています。

特に印象的だったのは花がたくさん届く話。

父親が亡くなったことを関係各社に知らせた途端、次々に送られてくる花輪。

配達をしてくれた人もこんなのは見たことがないと驚くぐらいの花が届いたようです。

この頃はまだ”売れない芸能人”と近所の人には認知されていたようで、母に向かって傷つけるこ言葉が飛んでくるのではないかと懸念していたようですが、

たくさんの花のおかげで母の表情も明るくなったと書かれています。

そしてその花のせいかはわかりませんが、葬儀にもかかわらずサインを求められそれに心よく応じたそうです。

「こんなときにサイン!?」
正直、そう思わないでもなかったが、断れば父がきっと怒る。だから一枚、一枚、心を込めて自分の名を書いた。

この本のタイトルである「深愛」は水樹さんの楽曲のタイトルでもあります。

この楽曲は父親が亡くなってから7日後に書き上げ、その2日後にはレコーディングされています。

水樹さん自身も「作詞している時は頭の片隅に父がいました」とインタビューで語っています。

この本を読んでから改めてょ句を聞くとまた違った視点で聴けるかもしれません。

まとめ

この本はファンの人にはもちろん、水樹奈々さんを知らない人にもオススメです。

知らない人には知るきっかけになって欲しいし、知っている人はより好きになる。そんな本だと思います。

ぜひ読んでみてください!

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