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ポケモン第一世代から登場し続けているポケモン「ユンゲラー」
超能力を使い、スプーンを持っているデザインは、実在する超能力者「ユリ・ゲラー」をモチーフに作られたことは明らかです。
それを知ったユリ・ゲラーが自分のイメージを盗用されたとして名誉毀損で損害賠償を求める裁判を起こしました。
この記事では、そんなユンゲラー裁判について詳しく解説していきます。
ユンゲラー裁判の概要
ユンゲラー裁判の発端は、ユリ・ゲラー氏が来日時、東京でポケモンカードを見たことから始まります。
ユンゲラーのカードを発見したユリ・ゲラー氏は悪役キャラクターとして扱われたとして当時のレートで約101億円に当たる、6000万ポンドの損害賠償を求める裁判をイギリスでおこし、2000年には1億ドルの損害賠償を求める裁判をアメリカで起こします。
ユリ・ゲラー氏本人は「頭痛を起こすキャラクター」であることが問題であると発言しています。
また、ユンゲラーは「反ユダヤ的キャラクター」であることも問題だとされています。
なぜユンゲラーが「反ユダヤ的キャラクター」なのかというと、額にある星マークとお腹にある稲妻のデザインがナチスの武装親衛隊を示すものと考えられると訴えたからです。
しかし、星マークも稲妻のようなマークも、公式の発表はありませんが超能力実験に使用された「ゼナーカード」をもとにしている可能性が高いです。
ユリ・ゲラー氏はユダヤ人であるため、自分を模したキャラクターが「反ユダヤ的キャラクター」として描かれていることも訴訟理由の一つとされています。
ユンゲラー裁判の結果は?ユリゲラー氏敗訴理由のデマに注意!
裁判の結果はユリ・ゲラー氏の敗訴で決着したとされるデマが有名になっています。
裁判の決め手となったとされる任天堂の弁護士が行った以下の言葉が有名です。
「ユンゲラーは超能力でスプーンを曲げることが出来るキャラクターですが、似ているというならば今ここで超能力でスプーンを曲げてもらえませんか?」
かなり強気で攻めた発言だと思います。
この言葉を受けてユリ・ゲラー氏はぐうの音もでずに諦めたとされた話が有名ですが、この発言はデマなので勘違いしないでください!
任天堂法務部最強伝説が話題になり、誰かが脚色した話が拡散され、広まってしまったと考えられます。
真相は「ユンゲラーという名前が使用されているのは日本のみであるため、連邦法での訴訟は要件を満たさない」と任天堂が主張し、訴えを退けた説が有力ですが、この話も出典がなく、いまだに真偽は不明です。
なので、2018年11月現在、この訴訟はいまだに進行中である可能性もあります。
裁判は売名行為?ユリ・ゲラー氏は他にも訴訟を起こしている
ユリ・ゲラー氏は任天堂を訴える前にアメリカの超常現象を科学的に調査す機関「サイコップ」に対し、訴訟を起こし、1991年から1995年までの間裁判で争っています。
1995年に和解となりましたが、ユリ・ゲラー氏は「軽薄な告発」の賠償として、サイコップに12万ドルの賠償金を支払っています。
この「軽薄な告発」というのはおそらく、賠償金を請求できるような案件ではないのに訴訟を起こし、逆に罰せられることだと思います。
ユリ・ゲラー氏は小さなことでも裁判を起こす前例がありました。
ユンゲラー裁判も、もしかしたら売名行為のための裁判であったかもしれません。
名前を使用されたことについては怒る理由はわかりますが、反ユダヤ的キャラクターであることはほとんどこじつけのようにも感じます。
真相は不明ですが、現在まで語り継がれていることを考えると、ユリ・ゲラー氏の売名行為は成功と言えるでしょう。
ユンゲラー裁判の影響
今となっては脚色されたデマが拡散されるくらいにおもしろ話として語り継がれるユンゲラー裁判ですが、この裁判によってカードゲーム、アニメ、ゲームに影響が出ています。
カードゲームへの影響
カードゲームにおいては、2001年〜2002年に販売されていた、ポケモンカード5番目のシリーズ「ポケモンカードe」以降、ユンゲラーは登場していません。
進化前の「ケーシィ」と進化後の「フーディン」は2006年〜2008年に販売されていたポケモンカード8番目のシリーズ「ポケモンカードゲームDP」に登場しましたが、フーディンのみ登場しません。
海外のポケモンファン「Water Pokémon Master」が2008年にアニメ演出家の日高政光にインタビューを行った際、ユンゲラー裁判が現在も進行中でポケモンカードには登場させられないと日高氏によって語られました。
おそらく「反ユダヤ的キャラクター」と訴えられたためだとされています。
アニメへの影響
ユンゲラーのアニメ初登場回はトラウマ回とされているナツメ戦(カントー編24話)の回です。
サイコキネシスで必要以上にピカチュウを叩きつける非情な戦法をとり、子供達にトラウマを植えつけました。
こんな描かれ方をされてしまえば、ユリ・ゲラー氏が怒る理由も少しはわかります。
この回は1997年に放送されたので、裁判はまだ起きていません。
そしてユンゲラーが最後に登場したのは2005年に放送されたAG編146話です。
この登場を最後に2018年11月現在までアニメには登場していません。
2007年放送のアニメポケモンDP編でもユンゲラーは書き換えられてしまっています。
ゲームに登場するポケモントレーナー「ミル」の相棒はユンゲラーでした。
しかし、アニメに登場した際、ミルの相棒は進化前のケーシィに書き換えられて放送されました。
ゲームへの影響
ゲーム本編においてはケーシィのレベルを16まで上げるとユンゲラーに進化し、ユンゲラーを通信交換することでフーディンに進化します。
通常、通信交換の際に進化させたくない場合は「かわらずのいし」を持たせ通信交換することで進化をさせずに交換することができます。
しかしポケモンダイヤモンドパール以降、ユンゲラーにかわらずのいしを持たせ通信交換しても進化してしまう「バグ」が存在します。
2018年現在、最新作であるウルトラサン・ウルトラムーンでもこのバグは修正されていません。
一応はバグ扱いされていますが、ユンゲラー裁判が影響していると考えられます。
2008年に発売されたポケモンレンジャーシリーズ2作目の「ポケモンレンジャーバトナージ」においてもケーシィとフーディンは登場しますが、ユンゲラーは登場しません。
まとめ
裁判の真相はユリ・ゲラー氏の敗訴とされていることが多いですが、実際は明確な出典がなく真相は不明です。
任天堂法務部最強伝説が面白おかしく取り上げられたことでこの裁判の話も大きくなって伝わってしまったのは事実です。
判決までの過程に注目しがちですが、その裏では、アニメやゲーム、カードにも影響が出てしまっているのは意外な事実ですよね。
いつかユンゲラーが普通に登場した時は、この裁判が決着したことだと思うので、思い出してみてください。